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F・マリノスが社団法人で描く社会貢献の未来。「地方公共団体も巻き込みながら、チャレンジを」

HEROs

<トップ写真:©F.M.S.C.>

サッカーJ1リーグに所属する横浜F・マリノスは2004年に知的障がい者サッカーチーム『横浜F・マリノスフトゥーロ』を設立しました。この取り組みはJリーグクラブ初のものでした。昨今、スポーツチームの社会的価値や地域貢献活動が話題になっていますが、その先駆けとも言えるでしょう。

そして、2020年11月、一般社団法人F・マリノス スポーツクラブを設立。2021年2月に事業を開始し、スポーツによる地域振興や地元選手育成により一層力をいれています。なぜ、F・マリノスはこのような社会貢献に力を入れるのか。

一般社団法人F・マリノススポーツクラブの代表理事・宮本功(みやもと・いさお)さんに、立ち上げの理由や経緯、クラブが社会貢献活動に関わる意義についてお話を伺いました。

首都圏クラブで活動をする強み

私は2020年に入社し、一般社団法人の立ち上げに参画しました、もともと公益事業を集約する計画が横浜F・マリノス側にあり、以前の成功体験を思い出しながら、横浜F・マリノスに合った形でプロジェクトを進めました。

設立の際にSDGsを掲げました。Jリーグには一般社団法人を持っているチームが多くある中、ここを起点に設立したのは横浜F・マリノスが初めてかなと思います。

横浜F・マリノスが持っている強みは、やはりブランド力。首都圏にあり、そしてJリーグ開幕から戦う『オリジナル10』であり、多くのファン、サポーターがいることが強みです。

首都圏を拠点にしている強みは、間違いなくあります。関西と比較してマーケットは5倍。関西でSDGsに反応するサッカー好きの経営者が10人いたとすれば、首都圏では50人、100人といる。規模の違いは確実にあります。

また、首都圏の企業の方が世界の動きに機敏に反応していると感じますし、トレンドへの反応が早いし、取り組みも具体的。スポーツビジネスを展開するにあたって良い環境であるのは間違いありませんし、社会的に大きなインパクトを残すことができます。

逆に、競争の激しさから難しさを感じる場面もあります。例えば、スクール事業。同じ県や地域に数多くのサッカースクールがあるので、規模を保ち続けることは簡単ではありません。

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もともと、外から見ていても、横浜F・マリノスは地域貢献活動にはものすごいパワーをかけていると感じました。フトゥーロだけでなく、電動車椅子サッカーの大会をサポートするなど、かなり広く強く取り組んでいるな、とすぐに気づきました。

そして、一般社団法人の設立によって、これまでやってきた活動の価値が『見える化』されてきたと思います。

株式会社と一般社団法人は、そもそもの優先順位が違います。トップチームの勝敗や順位が優先される株式会社とは違って、ブランドを大事にしながら地域に貢献するための組織が一般社団法人。事業そのものが公の利益に資する活動ですから、さまざまなパートナー様とご一緒することができます。その連携によるリリースでの可視化も一つですし、関わる人達が増えれば露出も増えます。

また、非営利型の一般社団法人ですから、さまざまな団体・企業様にとっても安心感があるのかなと。こちらから提案・お話をさせていただいた時の理解が早いですね。行政が相手の時は特にそう感じます。コロナ禍で直接顔を合わせられない難しさはありますが、活動の進捗はまずまずだと思います。

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選手の育成は、ファンの育成

スクール、育成部門もF・マリノススポーツクラブが注力しているところです。地元の選手を連続的に高い質で育てていこう、と考えています。例えば、自分と同じ学校出身の選手が横浜F・マリノスの選手になったら、面識が無くても自慢し、応援しますよね。こういう流れを作っていきたいと考えています。

仮に、九州出身の選手が横浜F・マリノスにいるとしましょう。その選手の関係者は彼を見ようと思っても、九州から横浜まで来るのはとても大変。それが地元・横浜出身の選手だったらどうでしょうか。気軽にすぐスタジアムに行けますよね。つまり、一人の選手が何万人ものお客さんをスタジアムに連れてくることができる可能性がある。

例えば、小学校中学校高校と横浜育ちの選手がF・マリノスに入ったと仮定すると、その選手と同時期に同じ学校に通っていた生徒は3300人という数字がでています。これは、OB・OGを除いた数です。選手一人に対してファンになる可能性のある同窓生は、万単位になりますよね。

つまり、地元選手の育成は、ファンの育成にも繋がるんです。お金をかけて広告やプロモーションをしても、チームの成績が落ちて、お金が無くなったら終わり。短期的に考えてはいけません。

スーパーな選手は10年に1回しか出てこないかもしれないし、時間がかかるかもしれないけど、地元の選手を育てる価値はそういったところにあるんです。そして一度軌道に乗ると、継続して効果が出るもの。

チームが増え、競合する中でも優位性を保てるように、もうワンステップ上げていきたいですね。


 
愛され、守り続けてきた『フトゥーロ』


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スポーツビジネスは、他のビジネスに比べて規模が小さく、収益に繋がりにくい状況にあります。また、我々の一般社団法人は興行をしないため、広告媒体が主力では無いので、ビジネスモデルで勝負しなければいけません。

そんな中、近年、SDGsに注目が集まるようになっています。我々はここに注力し、企業様と一緒に取りくんでいこうと。

横浜F・マリノスはJリーグの百年構想の下で、地域活動を30年以上取り組んでいるわけです。利益を求めるのではなく、地域に愛してもらい、貢献するための活動が、ようやく価値化されてきました。その一つとして、『フトゥーロ』の存在が挙げられると思います。

2004年に設立されて以来、『フトゥーロ』は横浜F・マリノスが愛情を持って、厳しい状況下でも守り続けてきたプロジェクトです。近年、SDGsに注目が集まる流れの中で、ようやく正当な評価を得ることができていると思います。

知的障がい者の子どもたちにとっては、Jリーグや日本代表に匹敵する憧れのチームになっているそうです。それだけ価値があるチームなんです。今後はスクールを作るなど、もっと入りやすくなる仕組みを作っていこうと考えています。

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SDGsに取り組みたいけど、軸になるものを打ち出せていない一般企業は多くあります。そこで僕たちがスポーツを通じた施策を提案しようと。地方公共団体も巻き込みながら、チャレンジを続けることで、実を結ぶと考えています。このタイミングで、先人たちが積み上げてきた活動を持続可能なものにしていきたいと思います。

サッカーはそうした取り組みのトップランナーになれる競技です。スポーツクラブとして成功して社会に還元しなければいけない。そういった責任感もあります。

今後はサッカーだけでなく、いろんな競技を手がけていきたいなと考えています。チアダンスや、将棋や囲碁など文化系の種目でも良い。今、F・マリノススポーツクラブが持っている枠組みに当てはめればリーズナブルに展開することができます。トップランナーとしての使命感を強く持ち、広く展開していきたいですね。

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※本取組はアスリートの社会貢献活動を表彰する『HEROs AWARD』の2021年度、チーム・リーグ部門で最終候補としてノミネートされました。
受賞した取り組みはこちら↓
https://sportsmanship-heros.jp/award/


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